桐里工房

【News】桐のおひつでご飯が長持ちする理由とは?毎日の食卓が変わる木の力

こんにちは。桐里工房です。

炊きたてのご飯をおひつに移すと、お米のおいしさがさらに引き立ちます。

お米のおいしさは、「温かいかどうか」だけで決まるものではありません。口に入れたときに感じる甘みや香り、ほどよい粘り、そして一粒一粒の食感など、いくつもの要素が重なって「おいしい」と感じられます。 

炊きたてのご飯には、湯気とともに立ち上る香りや、ふっくらとしたやわらかさがあります。  一方で、水分を多く含んでいるため、そのまま密閉した状態で置いておくと、蒸気が水滴となってご飯に戻り、時間とともに表面がべたつくことがあります。

反対に、水分が失われすぎれば、ご飯はパサついてしまいます。  

そこで役立つのがおひつです。

炊きたてのご飯をおひつに移すことで、余分な蒸気や水分を木がほどよく受け止め、ご飯の水分状態を整えてくれます。その結果、べたつきを抑えながら粒の輪郭が感じやすくなり、噛んだときの食感やご飯本来の甘みを楽しみやすくなります。

なかでも桐のおひつは、軽く扱いやすいうえ、木が持つ吸放湿性を生かせるのが特徴です。 

今回は、桐がなぜご飯を長持ちさせるのか、その仕組みとお手入れの仕方まで見ていきます。

おひつとは、どんな道具なのか

おひつは、炊きあがったご飯を釜から移し入れておくための道具で、平安時代にはすでに使われていたとされる、長い歴史を持つ暮らしの道具です。

日本では古くから使われてきた暮らしの道具で、かまどと羽釜でご飯を炊いていた時代には、多くの家庭で身近な存在でした。

1950年代以降、電気炊飯器や保温器が家庭に普及するにつれて、おひつを使う機会は次第に少なくなっていきました。

しかし現在では、電気を使わず、木の性質によってご飯の水分状態を整えられる道具として、あらためてその良さが見直されています。

蓋の形も素材もさまざま

おひつには蓋の形にもいくつか種類があり、地域によって呼び方や形が異なります。

関東を中心に使われてきた「江戸おひつ」は、本体より一回り大きな桶をすっぽりとかぶせる構造で、蓋が動きにくく安定感があります。

一方、関西を中心に使われてきた「関西おひつ(地びつ)」は、取っ手のついた蓋を上に乗せるだけのつくりで、片手で開け閉めしやすいのが特徴です。 

桐の調湿が生むご飯のおいしさ

ご飯のおいしさを左右する大きな要素のひとつが、水分量です。 

炊きたてのご飯からは、たくさんの蒸気が出ています。

そのまま密閉された状態にすると、蒸気が水滴となってご飯に戻り、べたつきの原因になることがあります。

桐には、周囲の湿度に応じて水分を吸収したり放出したりする「調湿性」という性質があります。桐のおひつに移すと、この性質によって余分な水分をゆっくりと吸収し、時間が経って乾燥してきた際には、今度は木にためた水分を少しずつ戻してくれます。

そのため桐のおひつに移したご飯は、冷めたあともべたつきにくく、一粒一粒の食感を感じやすくなります。 

タンニンの力でご飯が長持ちする 

ご飯が傷みにくくなる理由は、水分調整だけではありません。

桐にはタンニンと呼ばれる渋み成分が含まれており、この成分には防腐・防虫にかかわる働きがあるとされています。

おひつは冷蔵庫に入れず常温で保存するのが基本のため、こうした抗菌的な働きは、ご飯の傷みや臭いの発生を抑えるうえで大きな支えになります。 

毎日使うためのお手入れ習慣

桐のおひつは天然素材ゆえに、日々のお手入れが長く使うためのポイントになります。 

使ったあとは早めに中身を空にし、水またはぬるま湯で洗い流してから、風通しのよい場所でしっかり乾かすことが基本です。

濡れたまま蓋を閉めて放置すると、カビや変色の原因になるため注意が必要です。

また、冷蔵庫に入れると急激な温度変化で木が収縮し、たがが緩む原因になります。

洗剤の使いすぎや直射日光での急な乾燥も、木が傷む原因になるため避けたいところです。

桐里工房が伝える、桐の器と暮らし

桐という木は、ご飯を美味しく保つおひつだけでなく、着物を守る箪笥など、暮らしのさまざまな道具として昔から選ばれてきました。

水分を調整する力や、傷みを抑える力は、用途が変わっても変わらない桐そのものの性質です。桐里工房は、福岡県大川市で1912年から桐と向き合い、天然素材と伝統技法を用いた手作業で、桐たんすの製作や修理・更生・リメイクを続けています。

100年以上前につくられた桐たんすも、状態によっては削り直しや締め直しを行うことで、今の暮らしの中でも現役として使い続けられます。

福岡市、北九州市、久留米市をはじめ、佐賀市、武雄市、嬉野市周辺にお住まいで、古いタンスの扱いに迷われている方は、処分を決める前に、まずは現在の状態をご相談ください。

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